私が整体師になってかれこれ十年になりますが、駆け出しの頃驚いたことがあります。
それは「太腿が凝っている人が多い」ということです。
太腿の前面外側(スクワットをしたときに力が入るところ)が凝っていて、指で軽く圧をかけるだけで痛がる方もいらっしゃいます。
そこが凝っているという自覚がなく、施術を受けて初めて気付く方がほとんどで「なんでここが痛いの?」と聞かれることも少なくありません。
スクワットのやり過ぎ、という訳ではもちろんありません。
むしろ、日頃これといった運動をしていない方のほうが多いくらいです。
では、なんで凝っているのでしょう?
こういった方の多くに見られる共通点があります。
それは普段立つ際に、上体はリラックスしていても脚は「気をつけ」のように膝をピンっと伸ばしていることです。
先に、太腿の凝る部分を「スクワットをしたときに力が入るところ」と書きましたが、ここが正に膝を伸ばす筋肉です。(膝を伸ばす筋肉は他にもあるのですが、多くの方はここに力が偏る傾向があります。)
立っている間、膝をピンっと伸ばし続けるということは、太腿に力を入れ続ける=力んでいるということになります。
「立つ」という無意識的な行為の中では、この「力んでいる」状態も自覚されることがありません。
なので、知らず知らずのうちに太腿に疲労が蓄積して凝ってしまうのです。
「そんなこと考えたこともなかった」という方は、
是非一度、普通に立った状態での太腿の力みを確認してみてください。
力みが自覚できたら、脱力しましょう。
とは言え、そもそも力んでいるのかどうかがわかりづらかったり、わかっても脱力できなかったりするかもしれません。
その場合はあえて強めに、膝を思い切り伸ばしてみましょう。
その時にグッと力の入るところを意識してみてください。
そして次に、一気に足の力を抜きます。
意識した部分の力の抜け具合、力を入れる前との違いを感じ取ってください。
力みを自覚できるとふとした時に、無意識のうちに力んでいることに気付けるようになります。
そして、気付いたら脱力する。
日常のこの繰り返しが、力んでしまう体のクセの改善につながります。
これと合わせて、以前「姿勢を正す」の回でもご紹介した「スッと」伸びる姿勢を意識してみてください。
立つこと、立ち仕事が少し楽になるかもしれませんよ。
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