前回は「足裏をしっかりと着けて立つ」という意識を持つこと、
そのための具体的な方法として足裏の三点をしっかり着けて立つためのワークをご紹介しました。
足裏の三点とは下の通りです。
・母趾球(親指の付け根)
・小趾球(小指の付け根)
・踵骨(踵の中央)
今回は、足裏の三点に対する履き物からのアプローチとして、足半(「あしなか」と読みます)をご紹介したいと思います。
足半は読んで字の如く、足の半分ほどの長さの草履です。
その見た目からダイエットサンダルのように爪先立ちで履くように思われがちですが、踵はしっかり地面に着けます。
立つ時には、足裏の三点のうち前の二点(母趾球・小趾球)は足半の上になり意識が向きやすくなります。
また踵の位置が前二点よりやや低くなり体重を乗せやすくなるので、
結果としてしっかりと三点で立つことが容易になります。
歩く時は足半の部分、つまり足先から接地するようにします。
足首、膝、股関節と、脚全体で着地の衝撃を吸収し、踵は最後に接地します。
このような歩き方をすると
・足先を着いてから踵が下りるまで、足裏全体に意識が向く。
・そのためには「足」(足首から先の部分)を使う意識が生じる。
こういった意識を持つことにより「足」に感覚が生じます。
また、脚全体を使うので、膝や股関節などに局所的な負荷がかかりにくくなり、怪我の防止にもつながります。
このような立ち方・歩き方を、かつての日本人は普通に行っていました。
(であるからこそ足半のような履き物が生まれた、とも言えます。)
しかし、生活が西洋化し、靴を履くのが当たり前になった現代において、日本人の立ち方・歩き方も変化してしまいました。
「足」に意識を向けることが少なくなり、「足」の感覚や「足」を使う意識が昔に比べて弱くなっています。
このことに対する危機感から、整体庵 結びは足半を日常に取り入れることを提案すると共に、足半を手作りし、「足が目覚める足半」という名で販売しています。
提案とは、具体的にはスリッパの代わりに足半を室内履きとして使う、ということです。
足先から接地する歩き方は歩幅が小さくなるので、室内の移動に適しています。
慣れてくるとスリッパよりもスムーズに動けますし、しっかり足を上げるのでつまずきのリスクも減らすことができると考えられます。
いきなり足半で外を歩くのはなかなかハードルが高いですが、室内履きなら気軽にお試しいただけるでしょう。
この記事を読んで少しでも足半に興味を持たれたら、ぜひ足半を経験してみてください。
*「足が目覚める足半」についてはこちらをご参照ください。
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