4月4日から4月19日は二十四節気の第5節、清明(せいめい)。
「清らかでけがれがなく、また、明白で疑いの余地のない」という意味の
「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」を略したものです。
空は澄み渡り、陽が明るく照らすことで、万物がはっきりと鮮やかに見える頃を表しています。
春爛漫のこの時期、骨盤が開いて身体が緩んでくると気持ちも軽くなり、気が上へと上がりがち。
特に今年はコロナ禍のストレスもあり、いつも以上に上気しがちな状態になっています。
下半身を満たし安定させることで、上半身から無駄な力みが抜けて軽やかになる状態を
「上虚下実」と言います。
上気しがちなこの時期、心身の安定のために、この上虚下実がとても大切になってきます。
そこで今回は、日本人に馴染みの深い「正座」を用いて上虚下実にアプローチするワークをご紹介します。
ステップ1
手を鼠蹊部に当て、つま先が平行になるように足を揃えて立ちます。
この時に、体重がかかっている足(軸足)を確認しておきます。
ステップ2
両膝の裏側の力を抜いて軽く曲げ、軸足と反対の足を、
足裏を床に着けたまま後方に引きます。
一足分くらい引くとさらに膝の裏がゆるみ、身体が沈む動きが始まります。
上体を軽く前傾させて静かに身体を沈めてゆきます。
ステップ3
引いた足の踵が床から離れ、膝が床に着いたら、
着いた膝はそのまま前に滑らせます。
滑らせた膝が止まると、そこに軸足の膝も降りてきます。
この時滑らせた足の甲は床に着き、軸足の踵にはお尻が乗る状態になります。
ステップ4
踵を外側に押しのけるようにお尻を下ろし、軸足の甲も床につけます。
膝をそろえ、両踵の間にお尻が落ち着くように微調整します。
ステップ5
※ここから男女でやり方が違ってきます。
これは「男らしい、女らしい」といった作法の問題ではありません。
身体(骨盤)の構造の違いから、それぞれの身体のまとまりが良くなるやり方になっています。
上半身を男性は腰、女性はおなかとつなげるように意識します。
(男性の場合)
腰に力が感じられるくらいに膝を開いておきます。
両手を軽く握り膝の上に置き、両肘の先を真横に開くようにしながら腿の上を滑らせます。
胸が開き、続いて腰が軽く反るのが感じられたところで止めます。
(女性の場合)
指をそろえて膝の上に手を置き、両肘の先を真後ろに引きます。
胸が広がり、おなかがどっしりと落ち着くところで止めます。
以上でワークは終了です。
正座が出来たら、下半身の安定感・充実感に意識を向けてみてください。
背筋が自然にすっと伸びて肩の力がふっと抜けたり、
息がおなかの方まですぅ〜っと入ってくるような感じが出てくるかもしれません。
この状態が上虚下実です。
こんな感覚にひたりつつ、ひとり静かに、ただ座る。
そんな、自分と向き合う時間をもってみてください。
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