「歩き方教室とかいいんじゃないですか?」
始まりは純子さんのこんな一言からでした。
「森に学ぶ」
これは「林業のプロになりたいわけではないけれど、森や林業に興味がある」、そんな人のためのオンライン講座。
ワイルドグレードの森からの精油を含む植物油脂を扱う会社 QUSUYAMA LLC. 代表、吉水純子さんと、奈良県フォレスターアカデミー講師にして林業家の株式会社総合農林 代表取締役、佐藤浩行さん。このお二人がナビゲーターを務めています。
6年前の3月、私たち夫婦は横浜から山口へ移住してきました。
庭の一角の小さな畑で見様見真似で始めた家庭菜園がどんどん楽しくなってきたころ、自然農と出会い「土」というものの認識が大きく変わり、それに対する関心がどんどん大きくなりました。
そんなタイミングで、友人である純子さんが「森に学ぶ」を始めます。
農業も林業も「土」を抜きには語れません。また、私たち夫婦が目指す循環型社会という観点からも同源のテーマです。迷わず参加を決めました。
それから2年、入門編、中級編と受講を続け、3年目の今年度は上級編。ここでは森に関するテーマを決めての卒業研究を行います。
そのテーマを決めるオンラインミーティングの中で出たのが冒頭の一言でした。
「何かを始める時は自分の強みと結び付けてみるといい。
カラダのプロなんだから歩き方を教えて、一緒に森を歩いたらいいんじゃない?」
その手があったか!
目から鱗がボロボロ落ちた気がしました。
さらに佐藤さんが続けます。
「林業の現場でも『歩き方』っていうのは結構大きなテーマなんですよ。」
なんでも、最近林業の世界に入ってくる若い人たちは結構な割合で山の中を歩くのに非常に苦労しているとのこと。さらに現在ではチェーンソーを使用する際は専用のチェーンソーブーツの着用が義務付けられているのですが、このチェーンソーブーツというのが大変頑丈にできていて足首が動かない為とても歩きにくいとのことで、新人にもベテランにも「歩き方」は切実な問題なのだそうです。
若い人に関して言えば、私が小さいころも「今どきの子供は足腰が弱くなった」なんて言われていました。それからさらに世代が進む中で子供を取り巻く環境を見てみると「野山を駆け回る」などという経験が激減しているのではないでしょうか? 野山どころか公園や運動場を駆け回る機会も減り、歩くのは舗装路やタイル張りのフロアなどの「まっ平ら」なところばかりかもしれません。
そう考えると、一概に「今どきの若いもんは」で片付けるのは気の毒に思えてきます。
カラダのプロから言わせていただくと、「歩き方」は林業の現場だけの問題でも、若い人だけの問題でもありません。
子供も大人も、若者も年寄りも、みんなにとってとても大事な問題なのです。
そんな流れ、そんな思いから、この度、歩き方教室を開催する運びとなりました。
時は4月15日(土)。場所は津和野の西光寺。
ご住職、副住職さんとのありがたいご縁があり、快く会場をご提供いただきました。
本堂にて歩き方のお話しと練習を行います。
いわゆるウォーキングの講座とはちょっと(というかかなり)毛色の違う内容にするつもりです。
その後、境内や裏山を実際に歩いていただきます。
裏山では頭上の樹々、足元の草や土、林業のお話しをしたいと思っています。
詳細や申し込み方法につきましては後日改めて告知いたします。
興味をお持ちいただけたら是非、カレンダーに◯印をしてお待ちいただければ幸いです。
《追記》
告知ページを作りました。
こちらをご覧ください。
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